80年代のアメリカを舞台にLGBTQのあり方を描く『POSE』。
ニューヨークのボール・カルチャーを舞台に様々な人間模様が描かれ、実際のLGBTQ+のみで描かれるドラマは本国アメリカでも話題となりました。
今回は第1話からわかる相関図はもちろん、ドラマをより楽しめるようボール・カルチャーやヴォーギングについても解説していきます!
POSEって?
20018年6月3日から全8話がアメリカで放送されてから、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門で作品賞にノミネートされヒットしたドラマ、それが『POSE』です。
現実社会でもトランスジェンダーやゲイとして生きる俳優がキャスティングされ話題となりました。
トランスジェンダーの登場人物は米国のドラマ史上最大の数を誇っています。
海外の有名レビューサイトである『Rotten Tomatoes』では批評家評が97%、一般視聴評が82%と高評価を獲得。
第1シーズン放送開始から1ヶ月で第2シーズンの製作が決定するほど大人気でした。
これから放送されるシーズン1はもちろん、今後も期待できる作品ですね!
製作総指揮を務めるのは?
『POSE』の製作総指揮を務めるのは『glee(グリー)』『アメリカン・ホラー・ストーリー』『9-1-1:LA 救命最前線』など大ヒット作を手がけたライアン・マーフィー。
自身もゲイであることを公表し、今回の作品を通してLGBTQ+の人に対し、何かできることはないのかと強い思いを抱き今作のメガホンを取りました。
彼は「ストレートの男性がトランスジェンダーの役を演じる時代はもう終わった。」と語り、全米で半年間もかけてオーディションを実施。
そしてキャスティングされたのが50名以上にもわたるトランスジェンダーの俳優でした。
「シスジェンダーにトランスジェンダーの役をやらせることは絶対にない。」と断言しているライアン・マーフィーは、実生活でトランスジェンダーとして生きることの葛藤や苦悩を今作を通して描いていくと語っています。
また、ライアン・マーフィーは「このドラマこそ僕のキャリアのハイライトとなるだろう」とも語っているのです。
それだけ様々な願いや想いが込められている作品ですから、観ているこちら側にも熱が伝わってくること間違いなしです!
POSE第1話からわかる相関図
ブランカ:ハウス・オブ・エヴァンジェリスタのマザー。もともとはハウス・オブ・アバンダンスの一員だったが、HIV宣告をきっかけに自身がマザーとなりファミリーを築くことを決意。
エンジェル:ハウス・オブ・エヴァンジェリーの一員。娼婦として働いている。お客として現れたスタン・ボーズに恋をする。
デイモン・リチャーズ:ダンサーを夢見る17歳。自身がゲイであることが家族にバレ、勘当される。行き場をなくしていたところ、ブランカにハウスに来ないかと誘われボールの世界に興味を持つ。
スタン・ボーズ:トランプタワーで採用が決まったエリートサラリーマン。妻と2人の子どもがいる。絵に描いたように幸せそうな家族だが虚しさがあり、次第にエンジェルに惹かれてゆく。
エレクトラ:ハウス・オブ・アバンダンスのマザー。ボールでも女王的存在であり、気も強い。
プレイ・テル:みんなのファザーであり、ボールの司会者でもある。現在はデパートで香水をかける仕事をしており、夢は高級ブティックに自分のデザインした服を並べること。
マット・ブロムリー:嫌味っぽいスタンの上司。面接の時からコカインと思わしき薬物を摂取する人。
パティ・ボーズ:スタンの妻。ロブスターが美味しくて感動していた。
ヘレナ:ダンススクールの学部長。ブランカの説得もあり急遽デイモンの面接を実施。その踊りに魅了され合格を決める。
ルル:1話冒頭に出てくるハウス・オブ・アバンダンスのメンバー。
キャンディ:ルルと同じくハウス・オブ・アバンダンスのメンバー。
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↓↓キャストについてより詳しく記載したのがこちら↓↓
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作品に出てくるさまざまな用語
『POSE』を見ているとドラァグクイーンにゆかりのある単語がさまざま飛び交っていますよね。
これらの意味を知っているとより深く『POSE』を楽しむことができます!
ボール・カルチャーとは?
ボール・カルチャーとはお題を決めてその服装に身を飾り、ダンスを競うというイベントです。
ボールの文化を辿ると実に1930年代にまで遡るといわれています。
70年代にはこの作品でも描かれている「ハウス」という団体でボールへと挑むことが一般化してきました。
代表的なハウスとして「ハウス・オブ・ニンジャ」「ハウス・オブ・エクストラバガンザ」等があり若干名ではあるものの日本からもこれらのハウスに所属している人がいます。
アンダーグラウンドだったボール・カルチャーが公になったきっかけのひとつとしてドキュメンタリー映画である『パリ、夜は眠らない』が公開されたことがあげられます。
今だにコアなファンを根強くもつ映画でドラァグたちの間でも有名な映画ですよね。
世界的人気番組である『ル・ポールのドラァグレース』のル・ポールも、ボール・カルチャーを参考にして番組制作に挑んだと語っているほど現代のドラァグたちにとっても欠かせない歴史のひとつ、それがボール・カルチャーです。
ヴォーギングとは?
『POSE』の作品内ではダンス対決が行われます。
手の動きや体の使い方が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
ヴォーギング、またはヴォーグと呼ばれるあの動きはファッション雑誌『VOGUE』からきており、モデルたちがしているポーズに似ていることからその名前がつきました。
1990年にマドンナの『VOGUE』で全世界へと認知されるようになり、近年ではアメリカのダンスバトル番組でヴォーギングが披露されるなど、サブカルチャーが広く民衆に親しまれるようになってきました。
ファミリー?マザーとは?
まだドラァグクイーンという文化がなかった頃のこと。
そのあり方について、またはメイクについて誰か指導してくれる人が必要だと考えた熱心なドラァグたちがいました。
指導者や憧れの人を見つけるため、クラブへ出向いたり友人同士のコミュニティを通して出会いを探していたようです。
指導者を見つけた時、彼女は”娘”となり、指導者は”母”という関係を意味することとなります。
今作でも登場する”マザー”というのは彼らの美の象徴でもあり、同時に教育者でもあるのです。
当時はもちろん現在もゲイやドラァグであることから家を追い出される方も存在します。
そんな娘たちのため、ブランカやエレクトラのように住処を与えたり、ママのクラブに住まわせてもらう方もいます。
一つ屋根の下暮らし、家族のような関係となった彼女らの居場所を”ハウス”と呼び、”ファミリー”と呼ぶこともあります。
当時のアメリカとは
1987年に実在したボール・ルームを中心に描かれている今作。
80年代後半は全米が不景気で、治安もあまりいいものではありませんでした。
しかしニューヨークのマンハッタンにはトランプタワーが建設され不動産ブームが巻き起こっており、治安もいいセレブな街でした。
登場人物の一人であるスタンはそこで仕事が決まり、エンジェルが褒めるシーンがありますよね。
スタンの上司であるマットが面接時にコカインのような薬物を吸引しているシーンがあるのですが、当時のニューヨークではマリファナやコカインといった薬物を簡単に手に入れることができました。
当時、エイズが流行し始めたばかりで情報が少なく不安に包まれていた時期でもありました。
輸血によってHIVに感染する者や感染が分からず妊娠・出産し、子どもを置き去りにするケースもありました。
国民によってエイズ基金不足が訴えられたり学校でのエイズ感染を心配するデモや、同性愛者の権利法案に抗議するデモも行われました。
現在とは違いプエルトリコ人や黒人に対する差別も激しく、作品中でも「白人男性とは付き合わない」や「私は白人女のように扱われるのよ!」というようなセリフもありますよね。
そのような時代で生きていたLGBTQ+の方たちの苦悩や生き様がリアルに描き出されたのが今作です。
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まとめ
アメリカでも話題となった『POSE』。
日本では5月13日(月) 23:00からFOXチャンネルで放送が決定されています。
シーズン2をいち早く観たい方は
放送後の反響は「面白い!考えさせられる!現代には無い世界観!」といった声が多数!
心に傷を抱えながらも生きていく登場人物たちに第1話から胸を打たれること間違いなしのドラマです。
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