※本記事はテレビ東京系ドラマ24「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」第7話の原作にあたる伊藤潤二の漫画『中古レコード』『顔泥棒』のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
ドラマ「ストレンジ」第7話(2026年8月14日(金)24:12〜、テレビ東京)で描かれる2つの物語「中古レコード」と「顔泥棒」の原作ネタバレを解説します。謎のレコードに刻まれた歌の正体、そして気に入った相手の顔を写し取ってしまう少女・亀井の正体まで、両作品を詳しく紹介します。
『中古レコード』『顔泥棒』原作基本情報(第7話)


第7話は2026年8月14日(金)24:12〜24:52、テレビ東京系ドラマ24枠で放送された。今回も2つの短編がオムニバス形式で描かれる回で、まずは基本情報を要点表で整理しておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 伊藤潤二 |
| 収録(中古レコード) | 『伊藤潤二コレクション65 中古レコード』(朝日コミックス) |
| 収録(顔泥棒) | 『伊藤潤二コレクション42 顔泥棒』(朝日コミックス) |
| ドラマ化 | 「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」第7話(テレビ東京系ドラマ24、2026年8月14日24:12〜24:52) |
| ドラマキャスト | 中山:樋口日奈/町田由美:山﨑七海/亀井・白瀬:星乃あんな |
| 監督 | 中古レコード:山田篤宏/顔泥棒:下津優太 |
「タイトルも歌手名も分からない、死者の歌声が刻まれたレコードに魅了された少女の狂気」(中古レコード)、「気に入った相手の顔にそっくりになってしまう特異体質の少女・亀井の正体」(顔泥棒)。聴覚と視覚、それぞれ異なる感覚を通じて人を狂わせていく2編だ。
「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」は、2026年7月3日(金)24:12からテレビ東京系ドラマ24枠でスタートしたオムニバスドラマで、全13話構成。「顔泥棒」は伊藤潤二の初期の代表作のひとつとしても知られており、”美しさと怪物性が同居する”という、作家のキャリアを通じて繰り返し描かれてきたテーマが色濃く表れている一編だ。
あらすじ|中古レコード


ある少女は、タイトルも歌手の名前も分からない、謎めいたレコードから流れる歌に強く魅了される。歌詞のない、スキャットのようなその歌は、これまで聴いたことのないメロディだった。少女はこのレコードをどうしても手放したくなくなり、持ち主だった友人からレコードを奪い、その友人を殺害してしまう。
レコードを再生するためのプレーヤーを探して各地を訪ね歩くうちに、少女はこのレコードの存在を知る複数の男たちに付け狙われるようになる。この世に存在しないはずの一枚のレコードが、密かに人から人へと渡っていきながら、聴いた者を狂わせ、死者の世界へと引きずり込んでいく——そんな不穏な構図が徐々に明らかになっていく。
「中古レコード」という何気ないタイトルも巧妙だ。骨董品店やフリーマーケットで偶然手に取った一枚のレコードが、実はこの世に存在しないはずの、死者の声を刻んだ品だった——という導入は、誰もが経験しうる「中古品を買う」という日常的な行為の延長線上に、恐怖を忍び込ませる仕掛けになっている。伊藤潤二作品にたびたび見られる、”ありふれた物・行為に潜む異物”というモチーフの一種といえるだろう。
アニメ版「伊藤潤二『コレクション』」で本作が映像化された際には、作中で歌われるスキャットが実際に音声として聞けるようになっていたことでも話題になった。文字だけでは伝わらない”この世ならざる歌声”を、音として体験できる仕掛けは、原作ファンの間でも印象的なポイントとして語られている。
死者の歌の正体・原作ネタバレ


※ここから原作のネタバレを含みます。
このレコードに刻まれているのは、死者の歌声だとされる。歌詞を持たない旋律は、この世のものではない存在が歌う声であり、聴いた者を強く惹きつけると同時に、少しずつ正気を失わせていく力を持っている。少女が友人を手にかけてまでレコードに執着したのも、この”死者の歌”が持つ抗いがたい魅力によるものだった。レコードの存在を知る男たちが少女を追い回す展開からは、このレコードが一人の少女だけでなく、複数の人間を虜にしてきた”曰くつきの品”であることがうかがえる。なお、物語の結末で少女自身がどうなるのかについては、公開されている紹介文だけでは詳細が確認できていない部分があり、断定的な記述は避けたい。
「音楽」という、本来は形のないものにホラーを宿らせる発想は、伊藤潤二作品の中でも異色といえる。視覚的な恐怖描写に頼らず、”聴いてしまったら最後”という設定だけで読者の想像力を煽る構成力が光る一編だ。
あらすじ|顔泥棒


クラスに転校してきた由美は、あるクラスメイトと自分が血の繋がりがないにもかかわらず、まったく同じ顔をしていることに気づく。その少女・亀井には、気に入った相手のそばに長時間いると、顔がその相手にそっくりに変化していくという、奇妙な特異体質があった。由美の顔に惹かれた亀井は、やがて由美に執拗につきまとうようになっていく。
転校初日から「自分と同じ顔の人間がいる」という状況に直面する由美の戸惑いは、読者にとっても強い没入感を生む導入になっている。しかも亀井の顔は、由美と出会う前は別人のものだった可能性が示唆されており、彼女がこれまでどれだけの人の顔を”写し取って”きたのかは、作中でも明確には語られない。この情報の出し惜しみが、亀井というキャラクターの不気味さを増幅させている。
亀井の正体・原作ネタバレ


※ここから原作の核心的なネタバレを含みます。
亀井は、自分の意思で他人の顔を盗んでいるわけではない。気に入った相手のそばにいると、本能的に顔がそっくりに変化してしまうという、制御できない特異体質を持った存在なのだ。物語の中盤、亀井は日比野という男子の気を引きたいがために、美人である由美(ドラマ版では町田)の顔を写し取ろうとする。顔を奪われ屈辱を受けた由美は、仕返しとして「亀井の周囲の人間全員にお面をかぶせる」という奇抜な作戦を思いつく。亀井の”顔泥棒”体質への対処に頭を悩ませていた学校側もこの案に乗り、独特な結末を迎えることになる。
「顔泥棒」というタイトルから連想される悪意ある犯人像とは裏腹に、亀井自身も自分の体質に振り回されている被害者的な側面を持つ。加害者と被害者の境界が曖昧なまま進んでいく構成が、伊藤潤二の初期作品らしい不穏さを生んでいる。
ドラマ版との違い


ドラマ「ストレンジ」第7話「中古レコード」では、樋口日奈が中山という役名で主人公を演じている。原作の主人公に明確な名前が与えられていないのに対し、ドラマ版では「中山」という名前が与えられ、屋敷に忍び込んでレコードを探すという設定に変更されている。同じ目的を持つ男・藤田(遊屋慎太郎)、屋敷の主人(安藤彰則)、小川(南山あずさ)といった、原作にはないオリジナルキャラクターも登場し、「死者の歌声が刻まれたレコード」をめぐる欲望と狂気がより多くの登場人物を巻き込む形に膨らませて描かれている。
「顔泥棒」では、由美という原作の主人公名がドラマ版で「町田由美」に変更され、山﨑七海が演じている。注目したいのは、亀井と、原作にはない「白瀬」という役を星乃あんなが一人二役で演じている点だ。これは、亀井が周囲の人間の顔を写し取っていく体質を、より視覚的に分かりやすく見せるための演出上の工夫とみられる。日比野(岩崎碧)や先生(前田瑞貴)といった脇役キャストも新たに設定されており、学校という閉じたコミュニティの中で”顔”を奪い合う恐怖を、原作以上に群像劇的に描く構成になっているようだ。
よくある質問(FAQ)
- Q. 「中古レコード」に刻まれている歌の正体は?
- 死者の歌声だとされ、歌詞のないスキャットのような旋律が、聴いた者を強く惹きつけると同時に正気を失わせていく力を持っています。少女はこのレコードに執着するあまり、持ち主だった友人を殺害してしまいます。
- Q. 「顔泥棒」の亀井の正体は?
- 気に入った相手のそばに長時間いると、本能的に顔がそっくりに変化してしまう特異体質を持った少女です。自分の意思で顔を盗んでいるわけではなく、体質そのものをコントロールできない存在として描かれています。
- Q. ドラマ「ストレンジ」第7話はいつ放送されましたか?
- 2026年8月14日(金)24:12〜24:52、テレビ東京系ドラマ24枠で放送されました。「中古レコード」と「顔泥棒」の2作品が原作です。
- Q. ドラマ第7話のキャストは?
- 「中古レコード」の中山役を樋口日奈さん、「顔泥棒」の町田由美役を山﨑七海さん、亀井・白瀬の二役を星乃あんなさんが演じています。
- Q. 「顔泥棒」はいつ発表された作品ですか?
- 朝日コミックス『伊藤潤二コレクション42 顔泥棒』に収録されています。伊藤潤二の初期の代表作のひとつとしても知られています。
- Q. 「中古レコード」はいつ発表された作品ですか?
- 朝日コミックス『伊藤潤二コレクション65 中古レコード』に収録されています。アニメ「伊藤潤二『コレクション』」でも映像化されています。
まとめ
・レコードの存在を知る男たちに追われる展開で、”曰くつきの品”が人から人へと渡っていく構図が描かれる
・「顔泥棒」:亀井は気に入った相手のそばにいると顔がそっくりに変化してしまう特異体質を持つ
・由美の顔を写し取ろうとした亀井への仕返しとして「周囲の人間全員にお面をかぶせる」という結末を迎える
・ドラマ「ストレンジ」第7話(2026年8月14日24:12〜24:52)の原作にあたる2編
「中古レコード」と「顔泥棒」は、それぞれ“聴覚を通じた狂気”と“視覚・アイデンティティを通じた狂気”を描いた対照的な2編だ。前者は死者の歌という耳から入る恐怖、後者は自分そっくりの顔という目から入る恐怖——感覚器官を通じて人の正気を蝕んでいくという点で、2つの物語は静かに呼応している。
特に「顔泥棒」は、加害者である亀井自身もまた体質に振り回される被害者だという構図が、単純な勧善懲悪では割り切れない読後感を残す。”顔”や”アイデンティティ”というテーマは、SNS全盛の現代においても、決して古びない普遍的な恐怖だといえるだろう。
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ドラマ「ストレンジ」第7話「中古レコード」「顔泥棒」番組情報ページ(テレビ東京公式)で、放送日時・キャスト・スタッフ情報を確認できる。









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